声の大きな者の意見が通る(その1)
「声の大きな者の意見が通る」ということを良く聞きます。
会社の会議などで複数の意見が出た場合でも、結局は声が大きい者の意見が通ってしまうことを言います。
私の会社でも、「なんで、あんな無茶な意見が通ってしまったのだろう」と後で首をかしげてしまうようなことがあります。
ここでいう「声の大きさ」とは、純粋な声の大きさ(=音量)という意味だけではなく、例えば影響力の大きい人が一言で会議をひっくり返す(『鶴の一声』とも言います)といったことも含まれると思います。
声が小さい人、声が通らない人は損をする
ただ、大きな声(=音量)を出せる方が、生きていくうえでは有利なことが多いということは確かです。
ちなみに私は、もともと地声が小さく、通りにくい声(こもった声)です。
聞き取りにくいのか、人と話をしていても「え?」と聞き返されることがしょっちゅうです。
特に騒がしい居酒屋などでは、相手の耳元で声を張り上げないと、隣の人とも会話ができないぐらい声が通りません。
声が通らないというのは、ずっと私の悩みでした。
自分の声に自信がないから、声を上げたい場面でも、声を出すことができないということがありました。
一方で、もともと地声が大きい人がいます。
そんなに声を張り上げなくても、なぜか遠くまで良く通る声の人もいます
その違いは一体何なのでしょう?
声の大きさは体の大きさとは関係ない
最初は肉体的な要因かとも思いました。
私は体が小さくて痩せているので声が出ないのではないか?
ただ、私より体の小さい女性や子供でも、びっくりするほど大きな声を出せる人はいます。
一方で、体の大きな人でも声の小さな人がいます。
ということは、体の大きさは声の大きさには関係ないということです。
それなら、「自分の声も改善することができるのではないか?」と思い立ちました。
ボイストレーニングを受けてみた
自分の声を改善したいと思い、ボイストレーニングを受けてみました。
ネットで検索すれば、1回限りで申し込めるボイストレーニングがいくつも見つかります。
歌声を改善するためのボイストレーニングもヒットしますが、ここでは歌声ではなく、日常的な話し声を改善するためのボイストレーニングを選択します。
実際にボイストレーニングを受けてみた結果、意識が変わりました。
声が出せないというのは、肉体的な要因ではなく、メンタルが要因だということが実感できました。
私が受けたボイストレーニングは、参加者が一人ずつ前に出て発声練習するのですが、最初は恥ずかしさもあって、なかなか声が出ません。
ただ、何度も繰り返していると、「恥ずかしい」という気持ちが段々消えて、声を出すことに集中できるようになります。
そうすると体の余計な力が抜けて、自分でも驚くほどの声が出せるようになりました。
「恥ずかしい」という気持ちが声にブレーキをかけていた
今まで声が出なかったのは、「恥ずかしい」という気持ちがブレーキをかけていたからだと気付きました。
今までの私の声は、腹に力を入れて大きな声を出そうとしても「こもった声」「奥にひっこんだ声」になっていました。
つまり、「恥ずかしい」という気持ちがブレーキになっていて、その状態で大きな声を出そうとしても、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むような状態だったのだと思います。
練習を繰り返して「恥ずかしさ」が程よく取れた状態で声を出すと、体から余分な力が抜けて「通る声」「前に出る声」が出せることが分かりました。
車に例えると、ブレーキを外した状態でアクセルを踏めば、軽い力で走りだせるということですね。
声を出すことは、本当は気持ちが良いことだと分かった
2時間のトレーニングが終わった後は、とてもスッキリした気分になりました。
こんなに思い切り声を出したのは、何年ぶりなのか分かりません。少なくとも大人になってからは一度もないかもしれません。
誰でも小さな子供のころは、周りを気にせず思いきり声を出していたのではないでしょうか。
声を思いきり出すということは、本来は気持ちが良いことだということに気づかされました。
思いきり声を出すと、自分の中の「野生」が目覚めるような気分にもなります。
ボイストレーニングを受けたことで、声に対する意識が確実に変わりました。
自分の声に自信がない人は、一度ボイストレーニングを体験してみることをおすすめします。
声に自信のない人にこそ、思い切り声を出すことの気持ちよさを体験して欲しいと思います。
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